妻から教えてもらったお話し。「世界を揺るがした100人の女たち」なる番組で故ケネディー大統領夫人など、
特別な女性たちを扱ったのだとか。基本的に「悪女タイプ」でそこに
潜む欲望や心の闇を描いた内容。
裕福な家庭に育ち母からは優れた男性との結婚することが成功と教えられ、同時にその両親夫婦は父の浮気が原因で不仲でやがて離婚。そうした家庭に育った一人の女性は独身時代のケネディーを大統領の器と見抜き、巧みな策略によって、妻の座に就き、その後、見事に
ファースレディーとなっての度の過ぎる
贅沢三昧。その後も、ケネディーの弟の不倫、
地位や財産のある男性たちとの結婚と死別を繰り返すわけです。
このケネディー夫人の最近、人気の女性心理学者、
植木理恵先生が鋭い指摘をします。不正確な引用ですが、こうした趣旨のもの。
「
両親夫婦が不仲など不幸な家庭に育つと
少しずつ幸せになることができなくなります。王子様が目の前に現れるなど、
一発で幸せになる事を考えてしまうようになります」。
両親の不仲・不幸な家庭→一攫千金指向の幸福観形成
うーん、テレビのコメントは
5−10秒で結論を言わなければならない世界。戦場カメラマン
渡部陽一さんはその秩序を崩壊させたから面白いのでしょう。当然、上木先生のコメントは
原因と結果だけで、
プロセスや根拠が抜け落ちています。
そこで、妻と、中間部をどう思うか語り合いました。
「両親夫婦が
日常的な努力や成長によって
、幸せを築き上げていく姿を身近で見ることができなかったので、結婚が努力を積み上げて幸せになるという
学習をできなかったのではないか?」というのが、私の見解。
モデルの不在、模倣学習の欠落ということです。
それに対して妻は、家庭で愛情実感を得られなかったため、
未成熟で幼稚な考え方しかできず
インスタントな幸福実現に走ってしまうのではないかと考察。「
結婚したら幸せになれる」と妄信する多くの女性も
成熟していれば、結婚後にその間違いに気がつき、
継続的な努力や成長を通じて幸せな結婚生活を築き上げていくように
軌道修正するだろうかというもの。
両親夫婦がモデルを示せなかったのが原因にせよ、愛情実感不足で未成熟な思考しかできないように育ててしまったにせよ、
両親夫婦の責任や影響の大きさを覚えます。親の立場からは子どもを犠牲者にしてはならないと肝に銘じたいですし、被害者となった子どもの側をどう援助するかも、考えなくてはなりません。
まだまだ社会的には不利な立場にある普通の女性にとって、
最もインスタントな幸福達成の方法は地位や財産のある男性と
結婚することであります。実際に不幸な家庭に育ったり、親子関係が悪い女性ほど「
自己成長」や「将来のための努力」よりもインスタントな
「金と男」に走る事は、よく知られています。
しかし、もし、そうした安易な幸福達成方法、
一攫千金指向の幸福観による結婚に向かおうとしている方がおられたら
要注意です。
夫も結婚もすべて
手段にして、
自分が願うとおりの間違った幸福を実現して、周囲を苦しめてしまうでしょうから。
ここに
信仰が絡むとさらに厄介になります。好ましいクリスチャン男性と結婚して、
自分の努力や成長は考えず、
夫や結婚を手段化して、「
神なき自己実現」という「
間違った幸福像」を「
信仰の名において」築き上げようとするクリスチャン女性。これは、危険です。周囲を振り回し、犠牲者を多数出します。時に教会全体を混乱させることも。
しかし、現実の結婚は、
結婚後の努力と相互の成長によって
少しずつ幸せになっていく世界。まずは、親離れ、自立をして、
「少しずつ幸せになる」ことを願い、そのための
努力や成長をできる大人になることかと思うのです。それができない女性は結婚の準備不足でありましょう。
逆に言えば、結婚ほど、
両者が努力を続け成長を願っていくなら、確実に幸せになってく世界はないだろうとさえ、私は思います。最もやりがいがあり、報いが明らかな世界だと思うのです。結婚の専門家の多くは、結婚破綻の
本当の原因の筆頭は結婚前の準備不足だと指摘するそうです。私は専門家ではないですが、同意見です。
親が子どもを
自立や成熟に向けて育てることを忘れがちなこの日本の社会です。その犠牲者となる子どもたちは、「
少しずつ幸せになる道」を歩みえず、
結婚を破綻させたり、結婚を自己実現の手段化してしまいます。そのことはクリスチャン夫婦やクリスチャンホームも
聖書の教えに従って歩まなければ同じことです。
教会教育や交わりの中で、どれだけ
福音の光を、夫婦関係、子育てなどに当てていくかが問われます。幸せな結婚や健全な家庭形成ほど、今の日本社会で証しになるものはないでしょう。教会は決して、「礼拝を守り、熱心に奉仕をし、よく献金する
未信者同様の結婚生活と家庭形成に終始する信徒たち」を作り上げてはならないでしょう。
植木先生の10秒にも満たぬ優れたコメントから教えられました。