命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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ポップミュージックが描く性の世界(14)
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    ユニコーンの「ペケペケ」
    とりあえず愛している〜愛と尊敬心の強制分離


     日本のロックなど全く無関心な私も奥田民生くらいは知っています。しかし、最近まで知らなかったことがあります。奥田民生って、あの玄人好みのロックバンド「ユニコーン」のメンバーだったのですね。

     このバンド、洋楽ロックを見事に消化し、自らの表現方法として獲得しつくしています。なおかつ、ユニークでディープな世界観を持つ歌詞を伴う優れたバンド。TSUTAYAでレンタルしたベスト版の歌詞カードを一読しただけで受けまくり。現代人の性愛を描く歌詞が多いのですが、実に鋭く深い考察に満ちていて、しかも、それが笑えるやら怖いやら。

     今回取り上げるのは「ペケペケ」。作曲は奥田民生で作詞は川西幸一。登場するのは夫に愛想を尽かしながらも愛し合おうとしている?妻と独りよがりで何も分かっていない幼稚で愚かな夫という夫婦。一番リアルで怖い歌詞は妻のせりふに相当するこちら。サビで繰り返される歌詞です。

     好きなこと言ってなさい いつも
     あたいがいなけりゃ 何も
     出来やしない あんたはテディー・ベア
     とりあえず愛している
     お墓までいっしょに ペケペケ男



     昔は夫が妻を対等な人格として扱わず、見下げたり軽蔑しながら、結婚生活を送ることも多かったようです。しかし、最近は賢くしっかり者の女性が未熟で自立不足で依存的な男性に愛想を尽かしながら、交際や結婚生活を継続したり。

     ここに描かれているのは愛と尊敬心の分離状態。幸せな恋愛や結婚は、相手に対する愛に尊敬心が含まれていること。その意味でこの歌は典型的な不幸な結婚の姿を描いています。

     しかし、そこには矛盾が。尊敬できぬ夫を軽蔑しきって捨てるわけではなく、愛していく妻。「ペケペケ」と不正解だらけの夫に不満一杯の反面、生涯のパートナーとして生きるつもりではいる妻。出てくる言葉は「とりあえず愛している」

     「とりあえず愛している」ってどんな愛?それって中途半端すぎない?でも、そんな夫婦やカップルいるよねー、実際。

     これは、夫を生涯のキープ君にする形態の「夫キープ型結婚」か?はたまた、ダメ男に依存されることで自己価値確認をしてしまう「共依存型結婚」か?いずれにせよ、現代日本ではこうしたカップルは増加中なのでは。

     尊敬と愛の両立、あるいは一致!「愛と尊敬に値する相手」という発想に走るなら、とたんに関係悪化か、「いい人いない」の不満連発に。まずは「愛と尊敬に値する自分(夫、妻、男性、女性)」という発想からスタートすることかと思いますよ。「自己改善や自己成長なき、他者への要求」ほど、空しく効果のない態度はありませんから。
     
     愛と尊敬で結ばれたカップル。読者の皆さんには、そんな関係を目指したり、そんな関係であり続けていただきたいと願うばかり。
    | | ポップと演歌が描く恋愛と性 | 06:10 | comments(0) | trackbacks(0) | - |









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