命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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"Ministry"の特集「牧師たちの失敗」がリアルで泣ける、そして、教えられる(1)
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     キリスト新聞社の”Ministry”は毎号、購読しております。最近、気が付いたことがあります。それは、朝岡勝師が編集委員に加わっておられること。師が「中堅説教者奮闘記」(若者にメッセージを届ける方は必読)を連載しておられるのは存じ上げておりましたが、最新号を読むまで、編集委員をされているとは知りませんでした。3年間、同誌にコント掲載をしてきた者として、福音派に属する編集員をと願っておりましたが、積年の願いが果たされ、感謝なことです。というわけで、朝岡ファンの方も是非、ご愛読を。

     最新号は、特集「牧師たちの失敗」がおススメ。「失敗」と言っても、金銭、異性、パワハラなどの不祥事ではありません。牧師を続けていけなくなった失敗で、どちらかと言えば、自分の内面に起因する「しくじり」です。人気テレビ番組「しくじり先生」のコンセプトを採用した企画なのでしょう。こちらはテレビ番組とは違い、およそ笑えません。大真面目です。


     「成功談より失敗談が人を活かす」などと聞きます。これは、まさに、牧師の場合に言えることです。牧師の「成功談」、特にこちらが頼まないのにお話くださる「成功談」は、意外と役に立ちません。ひねくれ者の私は「大きな教会、立派な教会堂=成功なの?そうでないと成功ではないの?」と心の中で反発したり、「それは高度経済成長期の成功モデルですよね。シャープは成功体験再現幻想を抜け出せず、どうなりました?」と心の声で突っ込んだりしています。


     逆にいつまでも深く心に残っているのが、先輩牧師からお聞きした「失敗談」です。「教会は大きくなった。でも、こんな権威主義的な群れにしてしまって神様に申し訳ない」と深く悲しまれた大教会の有名牧師、「あなたたちは、私たちの世代が作ったような教会をつらないようにしてください。」と伝えて下さった戦後の教会をリードし、某団体の長を務められたこともある方の言葉は、今も深く心に残り、指針となっています。私は、これらの先輩牧師の言葉を頭が下がる思いで受け止めました。

     前者は、牧師依存体質で、自らみ言葉に立って思索し判断することができない多くの信徒たちを見ての正直な悔い改めとして、受け止めました。そして、後者は、「礼拝共同体」としての第一義的歩みや「神の家族」としての交わりを脇に置きながら「礼拝つき伝道団体」のように歩んできたことへの反省の言葉として、お聴きしました。私にとって、これら「成功者と評される牧師たちの失敗談」は、生涯の財産となっています。


     そこで、Ministry最新号の特集です。これは上のような教会論的、神学的失敗談ではなく、牧師個人レベルでの失敗談です。牧師が牧師を続けられなくなる場合、その原因は、牧師個人の内面的問題、人格面での歪みなどが原因だと考えています。もちろん、直接的には、未熟な信徒や教会、団体の体質などが原因かもしれませんが、それへの対処や受け止め方に牧師個人の問題が反映してしまい、問題が深刻化し、決裂していくように感じています。

     最新号では、二人の牧師の実例が紹介されています。それは、同労者の一人として、リアルで泣ける内容です。でも、教えられます。そして、決して失望に終わっていない内容です。こうした闇を扱うことが”Ministry”の意義の一つだと私は考えています。それは、聖書が信仰リーダーたちの光だけでなく闇を遠慮なく描き、後世に伝えているのに通じる意義だと言えるでしょう。

     信仰リーダーやその家庭の闇に触れることに、強い嫌悪感を持つ方がいらっしゃるのも事実です。しかし、その嫌悪感とは何でしょう?もしかしたら、それは「信仰的応答」ではなく「生理的反応」であり、「向き合いたくない現実」から逃避するための拒否感情なのかもしれません。聖書の真理は神の側の光だけでなく、人の側の闇にもあることを忘れてはならないと思うのです。むしろ、その闇に福音の光を当てること、その闇に赦しの恵みと回復の希望をもって向き合うことこそ、真理に歩むことではないでしょうか?
     
     また、二人の牧師の事例は、私が教えられたような「成功者と評される牧師たちの失敗談」ではありません。まさに「失敗者のレッテルを貼られたであろう牧師たちの失敗談」です。これがまた、教えられるのです。このタイプの失敗談を取り上げるところが、さすが”Ministry”であります。テレビの「しくじり先生」の先生は、かつての成功体験者ばかりですが、お二人はそうではありません。それこれが、今回の特集が、単なる「しくじり先生牧師版」で終っていない所以であり、そこにこそ、この特集の意義があると思えてならないのです。


     「牧師、やめようかなー」とか「牧師、続けられそうにないな」と思っておられる当事者の方、また、身近な牧師がそう思ってそうだという方は、是非、ご購読を。これを読めば、辞めずに済むかもしれませんし、安心して辞められるかもしれません。牧師を続ける希望が与えられるか、辞めても大丈夫だと思えるか、どっちに転んでも祝福に向かう?ことでしょう。

    Ministry最新刊 28号の詳細はこちら!
    http://www.ministry.co.jp/book/view/282/



    明日は、掲載されている二つの事例に触れてみます。
    | ヤンキー牧師 | キリスト教界(論説シリーズ) | 13:51 | - | - | - |
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