命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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教会立てこもり事件に関連して、一教会の週報コラムを紹介
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     先日の記事に応答して、日本長老教会の一牧師が、本日の週報に掲載するコラムを送ってくださいました。日本長老教会は私たちはひとつ教会」という意識を大事にしておられ、諸教会は一つ思いとなって祈り支えておられるようです。事件発生前から、週報に掲載するコラムを書いておられたのですが、今回の事件を受けて、最終部分を事件に触れるようにされたとのこと。この事件を共に痛み悲しむ者には、不思議な調和に満ちた励ましとなることでしょう。以下に著者のご快諾をいただき、転載します。(太字は水谷による編集)


    【コラム】
     楽しみに読んでいた徳島新聞の連載「没後125年 人間ゴッホを求めて」が終わりました。一時は牧師を目指したビンセント・ファン・ゴッホですがあまりに純粋で、情熱的で、激しかったため伝道者の道は捨て、芸術の筆を執りました。そして、多くの悲しみや人々の苦しみにもがき続け、最後はピストル自殺をし、最愛の弟に手を握られる中、「悲しみを消すことはできない」という言葉を残して世を去ります。

     1月12日付けの連載では、「オーヴェールの教会」が紹介されていました。「コバルト色の不穏な空と黄緑色ののどかな地上が対比され、その中間に大きな教会堂がゆがんで建っている」絵です。筆者の坂口哲啓氏いわく、《「汝の隣人を愛せよ」というイエスの素朴な教えが、長い時間の中でゆがめられてしまった。その〈悲しみ〉をゆがんだ教会が象徴している。画家自身の人生の悲しみがそれに共鳴する。「あなたも苦しんでいるのですね」という共感がゴッホを教会に向かわせたのだ。》 これを読んで、「なんで教会がゆがんでるんだろ?」としか思えなかった絵心ゼロの私は、目からウロコの思いでした。大塚国際美術館にもあるこの絵を、次回じっくり見てきたいです。

     ゴッホの母は「確かにあの子は変わっていましたが、いつも貧しい人々のことを気にかけていたことは疑いようのない事実です。神がそれを見逃されるはずがありません」と言います。「悲しむ者は幸いです」と言われたイエスご自身「悲しみの人で病を知っていた」方です(イザヤ53:3)。教会も、世界の苦悩と無縁に真っ直ぐ存在するより、歪むほどに悲しみを知る場なのです。先週、千葉の教会が被った事件からも、そのことを思わされています。

    こちらが、ゴッホの「オーヴェールの教会」


    古川 和男さんの写真
     

      このコラムを読んで、千葉の教会とオーヴェールの教会が重なるように見える中、私はこう思いました。

     特殊部隊の突入で教会内はひどく傷ついたことだろう。でも、それは「傷ついた癒し人」であるキリストの体らしいのかもしれないと。

     事件によって教会内の備品は、激しく転倒したことだろう。でも、それは「羊飼いのない羊のように弱り果て倒れている群衆を内臓が掻き乱されるように憐れまれた」キリストの体らしいのかもしれないと。

     そして、ゴッホの母のように思うのです。「苦しみ助けを必要としている人を受け止めたことは疑いようのない事実です。神がそれを見逃されるはずがありません」と。
    | ヤンキー牧師 | キリスト教界(論説読みきり) | 18:12 | - | - | - |
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