命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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ゲス不倫、宮崎に勝る ダビデかな
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     先日は、文春に不倫をスクープされた宮崎謙介議員が会見を開きました。きっと上層部の意向に沿ったのでしょう。不倫を認め、議員辞職となりました。そして、一連の報道に触れながら思ったのです。

     「ゲス不倫とか言われてるけど、ダビデの方がもっとゲス不倫だよなー」と。

     「ダビデこそ、不倫界のゲスの極みだよなー」と。

     そこで浮かんだのが、この一句。

    「ゲス不倫、宮崎に勝る ダビデかな」

     
     嘘だと思ったら、サムエル記第二の11章と12章を読んでみましょう。部下たちを、戦闘に送り出しながら、王であるダビデは、エルサレムに残り、お昼寝でもしていたのでしょう。夕暮れ時に起床して、呑気に宮殿の屋上を散歩です。王としての責任感も、信仰リーダーとしての使命感はどこへやらです。
     
     民主党の某議員は、宮崎議員の会見に対してのコメントを求められ、与党閣僚たちの失言等も含めて「自民党の奢りに由来するゆるみ」と批判をしておりましたが、連戦連勝、王国拡大の奢りからでしょうか。今や、ダビデは「ゆるゆる」です。かつての信仰的緊張感はどこへやらです。

     そして、散歩中に美女の沐浴を見て、欲情。調査の結果、その美女、バテシェバがウリヤの妻と判明したのに、召し入れるとは、これは宮崎議員よりゲスいです。神の目の前に生きてきたはずのダビデが、貪りの罪を犯し、姦淫の罪に向かったのです。

     次に、バテシェバ妊娠となれば、アリバイ工作のため、夫ウリヤを帰宅させようと計画。ところが、ウリヤは王と戦友への忠誠心の故に、それを辞退。この忠誠心こそ、兵士の鑑、ゆるゆるのダビデ王とは正反対です。このごまかし方、文春の記者の直撃に白を切った宮崎議員より、ゲスいです。

     アリバイ作りが失敗すれば、今度は、暗殺計画です。ウリヤを戦場の最前線に送り、戦死させようとしました。ゲス不倫に加えての証拠隠滅のために、権力を悪用しての暗殺です。これはさまにゲスの極みであります。宮崎議員のゲスぶりも霞んでしまうほどのゲス振りです。

     暗殺計画は見事に成功。これは、ゲス不倫に加えてのゲス暗殺の罪であります。これらの罪は、ダビデ王朝の中で隠ぺいされ、見過ごされていくはずでした。しかし、この世には、一人だけ王の罪を見過ごせない方、王を罰する権威者がおられました。その方は、代弁者として預言者ナタンをダビデのもとに遣わします。

     ナタンは、一つのたとえ話をもって、ダビデの自らの罪を自己客観視させようとします。しかし、ナタンの話の最後まで、第三者気分でいたダビデは、「そんなことをした男は死刑だ」と断罪します。次の瞬間、ナタンの口から”You are the Man”と聞いたダビデは自分が自分自身に死刑宣告をしたことを悟ります。王が王自らに死刑宣告をしたのです。

     しかし、ダビデの即座のそして、真摯な悔い改めをご覧になった神様は、超律法的恩赦によってダビデの死刑を減軽します。ナタンの「あなたは死なない」との言葉は、本来は天からの死刑執行がなされるべきであったことを意味するのでしょう。しかし、神様は義なる方ですから、罪の罰は免れません。バテシェバとの間に生まれてきた子どものいのちが、罪の代償として奪われます。ダビデは子どもを失った悲しみだけではなく、子どもの命を犠牲にして、自らがおめおめと生きていく罪悪感や惨めさにさいなまれ続けたかもしれません。


     ダビデの悔い改めは、真実であり、悔い改めの実を結び、回復に向かったことでしょう。でも、家庭という分野だけでは、その例外であったようです。ダビデの悔い改めは子どもの教育においては、実を結ばなかったようです。バテシェバ事件は、後に、ダビデの子どもたちに決定的な悪影響を与えることになります。わが子の命と差し替えに生き延びたダビデは、次は、長男アムノンとアブシャロムの命を犠牲にします。

     13章に移るとダビデの長男アムノンが、異母姉妹にあたるタマルを騙して、性暴力の犠牲とします。しかし、21節によれば、一部始終を知ったダビデは激しく怒るだけでした。父としてまた、王として、アムノンを戒め、適切な対処をすべきでした。それをしていれば、アブシャロムによるアムノン殺害も、その後のアブシャロムの謀反と彼の死も防ぐことができたでしょう。

     ダビデが恐れたのは、父から性的罪を戒められたアムノンの口から発せらる”You are the Man”だったのでは?ダビデは父として、かつての性的罪人としてて、正直に息子の前に出て、自らの罪の痛みの故に、アムノンを愛し、戒めるべきだったのでしょう。それができなかった故に、タマル事件は、アブシャロムに復讐心を起こさせ、アムノンを亡き者にし、やがて、アブシャロムの謀反を生み出し、アブシャロムを自滅させたのです。

     家庭内で罪の悔い改めの実を結ぶことができなかったダビデは、結局、三人の子どもを死に至らしめ、自らがその苦しみを味わいます。息子たちの死は、自分が死ぬ以上の苦しみであったようです。


     宮崎議員は、会見の最後で、自分の一番の苦しみを吐露しました。それは、生まれてきたばかりの息子が、父のしたことを知る日がいつかやってくるということです。

     ダビデの息子たちは、成長過程のどこかの時点で、父のゲス不倫を知ったたことでしょう。ダビデは王としてではなく、父としてそのことを正直に息子に伝え罪を悲しみ同じ過ちを犯さぬよう、神の前に正しく歩むように語ったのでしょうか?それとも、「もう、知ってるよな」「言わなくても分かってよな」「そもそも言いたくないし」と心でつぶやきながら、一人の悔い改めて赦された罪人して息子たちの前に立つことがなかったのでしょうか?これは、息子たちが性的にどう歩むか父に対してどのような思いを抱いて生きていくか?の分岐点になります。

     
     宮崎議員は最後の最後に「子どもは親を選べない。だから、親は子どものために変わらなくてはならない」と正論を語りました。

     これは、一般論でしょうか?それとも、自らのことを指しての発言なのでしょうか?

     極度の浮気症は、性欲の問題ではなく、心の深いところにある傾向性の問題ですから、自分の意志だけで変わることは困難です。でも、正しい対処や周囲の支援があれば、宮崎議員は、生まれたばかりの子どものために、父として今後、変わることは可能です。いつか、息子さんが今回の件を知ったとしても、ダビデができなかったこと?をするなら、葛藤はあるでしょうが、息子さんは乗り越えていけるでしょう。

     宮崎議員の息子さんには、いつの日か聖書を読んでいただき、知ってほしいと願います。父上にはるか勝るゲス不倫をしたダビデの家系から、キリスト様がお生まれになったことを。そのことを知って、自暴自棄にならずに、ご自分を大切にして欲しいと。あなたの苦しみを体験者として分かって下さる方が、救い主であることを。


     今回の宮崎議員の不倫と会見内容、そして今後の彼の歩みは、多くの点において、ダビデのバテシェバ事件とその後の不幸な家庭生活に共通しているように思うのです。


     ダビデの悔い改めは真実なものでした。でも、私は思うのです。

     果たして、息子たちに対して悔い改めの実を結んできたのか?

    親は子どものために変わらなくてはならない」との思いを息子に向き合い実行に移してきたのか?

     聖書を読む限りそうした疑問をぬぐい切れません。そして、この問題は今も、クリスチャンの父親と息子との関係に引き継がれているように思えてならないのです。


    「ゲス不倫、宮崎に勝る ダビデかな」

      
     偉大なる信仰の勇者が、ゲスの極み不倫者であったことを聖書は包み隠さず、記しています。

     神の超律法的恩赦に値する真摯な悔い改めをした王も、父としては悔い改めの実を結べなかったことを聖書は描いているかのようです。


     そう考えながら、宮崎議員を批判するにしても、まるで、イエス様の先祖である信仰の勇者がゲスの極み不倫をしなかったかのように、憐みのかけらもない断罪をすべきではないだろうと、自らを省みているところです。

     自分は父として、罪ゆるされた者として正直に子どもの前に立ってきたか?「親は子どものために変わらなくてはならない」との思いをわが子に向き合い実行に移してきたのか?そのことも、み言葉の前に問われる思いがしています。

     
    | ヤンキー牧師 | 信仰エッセイ | 22:08 | - | - | - |
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