命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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性犯罪被害のカミングアウトが意味するもの(3)
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     知っていただきたいことの一つに、性犯罪被害者はクリスチャン女性にも多いということです。そして、一般に考えられているよりレイプ被害にあっている女性は多くて、結構、身近にいるということです。

     私自身は、今まで、10名以上のクリスチャン女性から、レイプ被害のカミングアウトをしていただいてきました。性に関する働きを使命として歩んできたので、信頼をしていただけたのでしょう。ほとんどが、顔を合わせてですが、メールでお聞きした方も数名います。当然、泣きながら話す女性が多いですが、中には感情的になることなく立話しのようにさりげなく話す方もおられました。

     何を願って、お話し下さるのかは、人それぞれでしょう。いいえ、むしろ、ご本人も何を目的に私に話しているかを明確に自覚しているとは限りません。ですから、直接、お伺いする際は、有益なアドバイスをすることは、わきに置いて、ひたすら傾聴し、共に悲しむことにしています。

     何一つできなくても、真摯に受け止めることが、心の傷の癒しにつながれば、「最低限の愛の業」にはなると考えているからです。もう、一人で悩まくてよい状況にしてさし上げられたら、それだけでも大きな一歩前進になると信じているからです。

     
     よくあることですが、自分が悪かったと自分の側の落ち度を指摘して、自分を責める女性がいます。それは、間違った責任感で、誤った罪悪感だから、自分を責めないようにと伝えます。

     被害者となったことで、神様に対して罪を犯したように感じてしまう女性もいます。そうした女性には、罪を犯したのは加害者だけで、愛する子が傷つけられたのだから、神様も被害者であり、共に痛んでおられることをお話しします。

     また、クリスチャンだから、自分は加害者を赦さなくてはいけないと考えるクリスチャン女性もいます。まずは、自分が癒され、回復することが優先だと話し、少なくとも今は無理して赦そうとしなくてよいのでは?赦せないことで自分を責め、葛藤することで、回復が遅れることは、神様もお喜びにならないのでは?と問いかけます。


     将来、夫となる男性には結婚する前に被害経験を話すべきかと問われることもありました。きっと、話さないで結婚することは、不誠実、不正直だと考えるのでしょう。多様な判断があるでしょうが、私自身は、原則として話す必要はないし、話すことで夫が受け止められず苦しむこと、それによって結婚の質が低下することが、神様の御心だろうか?と思います。

     話したい気持ちは誠実ですし、理解しますが、結婚はある意味、お互いの過去を不問として契約して共に生きることだと思うのです。結婚は神と人との前での厳粛な契約ですから、結婚前に相手に話しておくべき過去の境遇や出来事はあるでしょう。しかし、レイプ被害がそこに含まれるとは私は思いません。


     三回にわたって、レイプ被害を受けた女性がその体験をカミングアウトすることの意味や、それに関しての考察を記してきました。読者の皆さんがそうした告白を受けた際に、また、カミングアウトを必要とする被害者である読者の方にとって一連のシリーズが参考になればと願っています。。

     最後に一つの書物を紹介します。実際に米国でレイプ被害を受けながら、そこから立ち上がり、同様の被害を受けた女性たちを支援するようになっていく日本人女性写真家による書物です。筆者の大藪順子さんは、牧師の娘さんであり、彼女が立ちあがれたその背後にあったのは、信仰であり、神の力だったのです。

    大藪順子著「STAND 立ちあがる選択 レイプで人生は終わらない」(いのちのことば社)
    http://www.gospelshop.jp/catalog/product_info.php/cPath/4/products_id/52666


     大藪順子さんが、月間「いのちのことば」に特集記事を書いておられます。

    「聖書は力ある生きた言葉」
    http://www.wlpm.or.jp/cgi-bin/db/kiji_t.cgi?keys10

     性をタブー視する教会の体質、「赦しなさい」と教え被害者をさらに苦しめることの問題を指摘しています。このことがもたらしている様々な悪については、特に男性牧師の皆様には知っていただきたく願います。また、この記事において大藪さんは、加害者男性の本質を、レイプ犯罪の意味を見事に言い当てています。これは、男性クリスチャンに是非とも知っていただきたいです。そして、何より神様に回復の希望はあり、聖書はその力を持つ「生きたことば」であることを、体験者として語って下さっています。

    大藪さん自身のプロジェクトのサイトはこちらです。引用されているエズラ記10:4の言葉が、新たな意味をもって迫ります。
    http://nobukoonline.com/jp/stand/index.html


     このブログ読者の中には、レイプ被害を受けたクリスチャン女性たちが何名かいらっしゃいます。もし、その方々以外に、読者の中にレイプ被害者がおられましたら、是非、この記事と著書を読まれ、一人で抱えて苦しみ続けるところから、一歩を踏み出す勇気が与えられるようにと切望しています。
    | ヤンキー牧師 | ポルノ・アダルトサイト・性暴力 | 15:46 | - | - | - |
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