命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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2014年のリベカ(4)生涯強制母子分離
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     このシリーズも今回で最終回としましょう。選んだ限りは見捨てない神様はヤコブに対して「祝福の器に向けての大改造計画」をお持ちでした。今で言う機能不全家庭にあったイサク家にあて、ヤコブが自立した信仰者となることは不可能だったのでしょう。特に、ヤコブは、梯子を降ろしても無駄な母子関係にありました。そこで、神様は、選びの一族を回復させようと手荒な最終手段をとります。ヤコブを母親から強制的に分離させたのです。

     クリスチャンたちは、「イサク家は悲惨だったけど、神様は回復させてくださった」「選ばれた信仰者家庭を人は壊すが、選んだ神様は見捨てず回復させて下さる」と理解をしています。これは正解ですが、誤解をしてはならないと思うのです。確かに、神様は壊れた家庭を回復して下さいますが、両親夫婦に関しては、当人の悔い改めとその結実努力があって、はじめて回復するのだと私は思っています。

     イサク家などは、その実証例だと思うのです。ヤコブは回復してゆきました。しかし、イサクとリベカの夫婦関係は回復しているでしょうか?イサクはその偏愛を悔い改めて、新たな歩みをしたでしょうか?リベカも自分の間違いを認めて悔い改めているように読めますか?そして、エサウは、俗悪信仰者から敬虔な信仰者へと成長したでしょうか?異邦人であったエサウの妻は改宗してエサウ家は主に仕える家系となっているでしょうか?

     そう考えますと、全き回復の恵みにあずかったのは、ヤコブだけで、他の家族にも神様の祝福はあり、多少の改善はあったかもしれませんが、明確な悔い改めと回復の恵みはなったと判断するのが妥当ではないかと思うのです。


     聖書を読むとリベカは一生ヤコブに会うことなく、この世を去って行きます。神様による密着母子の強制分離は、一生涯にわたったのです。リベカが受けた報いは、「生涯強制母子分離」でした。そして、想像するのです。あわれみ深い神様ですから、もし、ヤコブがリベカに再会しても、大丈夫なら、きっと会わせてくださったことでしょう。リベカが、同情すべき面は多々あったとしても、夫を軽蔑し、過保護と母子密着でヤコブを歪めてしまい、神の祝福を妨げていたことを、自覚し、悔い改めたなら、きっと神様は、安心して「健全な母子関係」を再スタートさせて下さったことでしょう。

     この想像が正しいなら、リベカは生涯、自分の非や罪を認めず、夫を軽蔑し続け、嫌いなエサウと忌まわしい異邦人の嫁に悩まされながら、長子略奪計画の失敗を悔やみ、それ故にヤコブと別れたことで自分を責め、自己憐憫に陥りながら、一生涯を終えたと想像されます。悔い改めなかったので、回復の恵みのないままだったと予想できるわけです。そして、残念なことに、何千年もの前のこのリベカの姿は、時代と文化と国境を超えて、2014年時点の信仰者家庭にも、人類の原罪と共に継承されています。


     そこで2014年のリベカです。「夫を軽蔑し、向き合えない夫婦で息子を犠牲にしてしまったけど、ヤコブのように神様が息子を回復させてくださる」と自らの罪を悔い改め、次世代の回復希望を願うのは聖書的に正しいだろうと思います。しかし、「夫を軽蔑し、母子密着となり、子どもを犠牲にしてしまったけど、神様は私たちの家庭を回復してくださる」と安易に考えるべきではないでしょう。悔い改めて夫に対する態度を変えて、夫婦が向き合うことなくして、夫婦関係や家庭全体の回復を望むのは間違いでしょう。

     夫に責任があるとは言え、夫を軽蔑し続け、それを悔い改めぬ母親、それ故に、向き合わない夫婦関係をスタイルとして固定させたクリスチャンの母、子どもを親から離さない子育てをし、過保護と過干渉で息子をスポイルする母、機能しない父親の下で欠落を持って育つ息子を助けず、俗悪な信仰者にしてしまった母・・・。信仰のサラブレッドにして、最低の家庭人であった夫に翻弄され、夫を責め、自己憐憫に陥りながらも、多分、自らの罪と過ちを悔い改めをせぬまま、回復の恵みを逸して、「クリスチャンなのにどうして」とつぶやきながら、一生を終えていく信仰者家庭の母・・・。


     創世記25章以下が描く、リベカの姿は何と現代的でしょう。母であるクリスチャンは、日本の子育ての現状では、誰もが2014年のリベカとなる危険を免れないように思います。四回にわたったシリーズでしたが、2014年のリベカを教会全体の痛みや課題として受け止められたらと願います。2014年のリベカとして歩むクリスチャン母を心情的には温かく理解し、同時に聖書的な視点で課題を特定し、支え、回復に向かうお手伝いをするために、このシリーズが少しでも貢献できればと願っています。
    | ヤンキー牧師 | 育児・信仰継承・家庭・養子 | 19:56 | - | - | - |
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