命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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三つの愛に愛されて生きる?21世紀のクリスチャン(1)
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     この記事から、フェイスブックと連動して同時投稿されると思いますので、よろしくお願いします。

     自己愛については繰り返し論じてきたので、補足的に思いついた記事を追加します。イエス様は最も大切な戒めを問われ、「神を愛すること」と「自分を愛するように隣人を愛すること」の二つを一つのこととして、律法の本質として示されました。

     1990年代くらいからでしょうか。これに「二つ」でなく「三つ目」が追加される解釈が浸透してきました。それは、「聖書には『自分を愛するように』とあるのだから、隣人を愛するためには、自分を愛する必要がある」というもの。たとえば、ある方は「三つの愛に生きる」と題して、「神、隣人、自分」の三者を愛することを勧めます。90年代には時々「神に愛されて、自分を愛せるようになり、そして隣人を愛するのです」のような愛の教えを、頻繁に見聞きしたように記憶します。

     そのような見解は、「自己愛が充足されて、他者愛に移行する」との心理学上の原理で、福音を再構築したものではないか?との疑問は常に投げかけられてきました。私自身も90年代のカウンセリングブームの中で、信仰を育んできたので、ある程度、それを真に受けてきた面は否めません。

     改めて聖書から考えてみると、こうした福音理解は「自己愛充足神話」ではないかと思えたので、そのことを「自己愛充足神話崩壊」と題して記事にしました。

    続・自己愛性信仰障害(1)「自己愛充足神話」崩壊?
    http://blog.kiyoshimizutani.com/?eid=3894

     そこで、今日のテーマです。どうも、一般社会における近年の自己愛肯定傾向を受けて、この「三つの愛に生きる」「神と隣人と自分を愛して生きる」は、さらに、バージョンアップしているように観察しています。これはこう表現できるでしょう。


    「三つの愛に、愛されて生きる」

    神と、隣人と、自分に愛されて生きる」


    となるでしょうか?

    この三つの愛の方向性はこうなります。

    神→自分 

    隣人→自分

    自分→自分


     どれも、矢印は自分に向いています。愛のすべては「自分が愛される愛」なのです。この世のすべての愛の対象は自分なのです。つまり、神、隣人、自分の「総動員自己愛」なのです。

     20世紀までは、この日本において、クリスチャンは、「神と隣人を愛する人」と誤解も含めて見られてました。しかし、21世紀は、クリスチャンは「思ったほど、神と人を愛していない人」と世間から見られ、やがては、「もしかすると自己愛のかたまりかも」という残念な評価に転じてしまうのかも。

     そうなれば、高尚な伝統的宗教と評価されてきたキリスト教もやがては、「結局、ご利益宗教で、新興宗教と大差なし」との評価を受けることになりかねません。

     1990年代には、「三つの愛に生きるクリスチャン」が大量発生しましたが、この2010年代は、「三つの愛に愛されて生きるクリスチャン」が、大量増殖しているように思えてなりません。


     もし、「神と隣人を愛せよ」があくまで、「二つの愛する愛」に生きることを意味する福音の根幹だとしたら、これはエライこっちゃであります。ここ30年ほどで、「二つの愛する愛」は、自己愛を加えた「三つの愛する愛」に変質し、さらに近年は「三つの愛される愛」にまで、歪められてしまっているように思えるのですが、どうでしょう?

     この「愛についての根本的誤解、非聖書的教理」が、近年のキリスト教会の宣教停滞と信仰継承の衰退の根底にあるのではないかとも思うのです。時期的にも、この30年間に重なっているのは、決して偶然ではないでしょう。

     そこで、私なりにこの問題をこう命名しました。


    三つの愛愛されて生きる21世紀クリスチャン問題」


    この問題、一度、検討してみるべきではないでしょうか?
     
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