命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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今どき男子を考える(2)〜専守防衛系男子
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     先週は25歳男子から「いまどき男子」の生態を教えていただきました。彼自身は「今どき男子」とは、かなり別種のタイプで、客観的に「いまどき男子」を観察・評価している人物。彼によれば、最近は「男子三名で『めし、どこに行く?』がいつまでも決められないタイプ」が増殖中のとのこと。あるタイプが集まると、誰も「〇〇へ行こう」と切り出したり、「〇〇食いたいなー」と提案ができず、お互いがけん制し合うので、いつまでも決まらないのです。

     このことを聞いて、彼との質疑応答が開始。

    「やっぱり、誰かに否定されて、傷つくのが怖いの?」

    「そう、『えっ?そこ行くの?』とか、言われるのが嫌だから、誰も言い出せないんです。」

    「『オレは、そこがいいんだから、付き合えよ』とか言えないの?」

    「そんなこと言えないんです」

    その程度の言いたいことも言えなくて、それって、友だち?」

    「そういう友だち関係を作るんです」

     うーん、考えてしまいました。「自分なら、こういうタイプの奴とは友だちになりたくないなー」と正直に思いました。自分は何言わず、他者の発言を批判するだけのタイプは、個人的には最もムカつく、嫌いなタイプです。「おまえ、そんなんだと友達なくすよ」と説教してやりたいです。

     ところが、どうも最近はこういうタイプが増殖中で、なおかつ「類は友を呼ぶ」で、同様のタイプで友だち関係を形成するようです。「自分の言動の否定=自分に対する人格否定」と受け止めてしまうので、深く傷つくのです。食事場所の提案でさえ、否定されるのが、恐ろしいことなのでしょう。

     このタイプの最大の特徴は、傷つくことを極度に恐れてそれを避けることです。傷つけられるリスクを負ってまで、何かにチャレンジしようとは思いません。

     これは「飛び出せ!青春」でなく「絶対に飛び出さない、青春」であります。

    「当たって砕けろ」ではなく「砕けたくないので、当たらない」であります。

    「石橋を叩いて渡る」どころではなく「石橋を叩く自分を見られたくない」のであります。
     
     涙も汗もない青春です。本気モードで向き合うこともない友情です。これは「自己保身共同体」であります。私はこのタイプの今どき男子を「専守防衛系男子」と呼びたいです。

     傷つけられないことが最優先なので、専守防衛なのです。傷を恐れるあまり、積極的な言動をしないので、専守防衛なのです。専守防衛男子は、自己保身をしながら、自分を傷つけそうにない他者との関係を形成します。そうなると自分の同じタイプの専守防衛系男子が集まります。こうして自分が傷つく可能性が最も低い友だち関係を形成するのでしょう。

     この友だち関係は、本気で向き合うことがないので、相手のことを思って厳しいことは言いません。ですから、安心してそのままの自分でいられますが、別の自分に成長することはありえない関係です。友情によって高めあうことはないのです。向き合うことがなければ、傷つけあうことも少ないでしょうが、成長することも、自分の殻を破る可能性もなくなります。

     こうした「専守防衛系男子」のメンタリティーは、信仰姿勢にも、多大な影響を及ぼすものと予想されます。どうしても、教会内で、本気で向き合う真実な交わりを形成すること、罪を指摘され悔改めることは、かなり困難になるかと思うのです。傷つかない程度の距離を取る交わりに終始し、罪を指摘されることを人格否定として受け取ってしまい、それ以上傷つかぬよう、自己防衛から、「愛がない」「赦すのが愛」と悔い改めを拒否するのもある意味、理解できないこともありません。

     なかなか、こうしたタイプのいまどき男子を理解し、受け止めるのは、簡単なことではないでしょう。しかし、こうした男子が教会や家庭の存在するのは、事実なのですから、この事実を事実として受け止めるところからしか始まらないでしょう。呆れたり、責めたりしたところで、こちらのストレス解消にはなっても、肝心の専守防衛系男子の中には、何も始まりません。

     誰一人この日本社会の強烈な文化や精神性から逃れる事はできません。若い世代の信仰上の諸問題の根底にある今どき男子特有のメンタリティーを理解するすることなくして、対処は困難だろうと思わされました。上の世代にとっては、失望やさばき心がおきやすいのでしょうが、まずは、「専守防衛系男子」への暖かい愛ある理解からスタートするしかないかなと考えているところです。

    | ヤンキー牧師 | 男性(心理と性)理解のために | 10:04 | - | - | - |
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