命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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野田聖子議員、養子縁組を断念しての、代理母出産
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     本日さっそく週刊新潮を購読。もちろん野田聖子議員の代理母出産についての当人からの記事を読むためです。

     週刊新潮最新号のサイトはこちら!
    http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/

     野田聖子議員はたくましく強い女性政治家であるのは間違いなさそうです。にも負けず風にも負けず、小泉首相からの刺客にも負けず、離党処分にも負けず(復党)、不妊にも流産にも負けず、養子斡旋断念にも負けず、代理母(第三者の卵子提供)により「それでも私は産みたい」と意志を貫いたようです。

    (解説:代理母には大きく分けて二種類あります。一つは夫婦間の受精卵を第三者の女性の子宮に移植し出産する方法、これは高田・向井夫妻の場合。もう一つは、第三者の卵子と夫の受精卵を妻の子宮内に移植するもの。これが野田議員の場合、多くの方にとっての代理母のイメージは前者でしょう。)

     実は、私が今回野田聖子議員の代理母による妊娠を知って思った事の一つは「養子縁組は考えなかったのだろうか?」ということ。

     野田議員は少子化対策をライフワークとしています。なおかつ、養子縁組に関心を持ち、その法規制の必要を感じておられたようです。

     以下のサイトはあるクリスチャンからの教えていただいたものです。養子縁組に関する法規制を検討するシンポジウムのものですが、出席した国会議員の中に野田聖子議員の名前が。

    http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~okuda/symposium_adoption_service_law.html

     どうも、少子化を考える一議員であると共に、不妊に苦しみ養子縁組を検討してきた一女性としての立場での出席であったとも想像できます。

     週刊新潮にもそのことは書かれています。野田議員は「一度目の事実婚→不妊で苦しみ→不妊治療で苦しみ→事実婚解消→二度目の事実婚」という経緯をたどります。その時既に47歳

     そこで一つの転機が訪れます。血のつながりに固執していたこと、自分のDNAを残すのだという思いを自らの「驕り」と悟り、養子縁組を考えます。

     しかし、ここでも壁にぶつかります。特別養子縁組制度の趣旨は「子どもを願う親のため」よりむしろ「親を必要とする子どものため」です。ですから、子どもが自立するまでの安定した養育(経済・体力等)のために一定の年齢基準などがあります。また、養子は実子以上にふれあいを必要とするとされ、両親のどちらかが休職や退職をして育児に専念することが求められます。

     野田議員は年齢や休職できないことで断念せざるを得ませんでした。そうでなくても、事実婚で1,2年の経過では養子縁組はできないでしょう。そうです。特別養子縁組とは、基本的に「子どもを願う親のための法律」ではなく「親を必要とする子どものための法律」なのです。ですから、子を願う親の気持ちを思うと残酷かもしれませんが、親に対して一定の資格や制限は求められるのです。

     そして、今回、養子縁組の道も閉ざされて、第三者の卵子提供を受けての妊娠となりました。なぜ、事実婚なのかどういう経緯で代理母妊娠に至ったのか、不妊女性の痛み、不妊治療の苦労など、是非ともお読みいただきたい内容充実の記事です。何より記者のレポートではなく、本人が政治家として一女性として自分の言葉で書いていることが価値があります。

     記事を貫いているのは野田議員の「それでも私は産みたい」との意志。それを野田議員は理屈でなく「女性としての私の本能」と自己評価しています。また、保守政治家として、その基盤となる家庭の絆を持ちたいとの強い思いも記しています。

     女性の「産みたい」「家庭を持ちたい」との思いは尊いものであり、できる限り尊重され、実現されるべきでしょう。しかし、ほかのすべてに優先されるわけではありません。女性の自己実現が他者のいのちに直結しているなら、それは最優先されるべきではないでしょう。そのいのちとの関連で判断されるべきです。

     どんな尊い思いも「いのちそのもの」には優先すべきではないでしょう。生まれてきたいのちに対する責任を忘れてはなりません。今回の記事で残念なことは、「生まれてきた子どもについての心配」はあっても「生まれてきた子どもにとっての自分たち夫婦」という視点に少し欠けていたことです。

     「子どもにとって事実婚でよいのか?」「今の二人のライフスタイルで親としての責任を果たしうるのか?」「子どもが思春期になれば、自分はかなりの高齢者、それでよいのか?」など、子どもの立場になれば、自分たちが問われます。

     養子縁組には、親側の情からすれば、ある意味厳しく冷たいとさえ思える制限や条件があります。しかし、それは子どものためなのです。もし、今後、金銭面で裕福な女性たちが、50歳以上の年齢になってから、正式な結婚もしないままで、第三者の卵子で妊娠出産するとしましょう。子どもが思春期になる頃には母親は60代半ばです。父親に相当する男性も多くの場合、定年です。経済的な心配も生ずれば、親との死別の可能性さえ高いはずです。契約責任より本人の意志に依存しやすい事実婚ですと両親が離婚している可能性も高くなります。その子に兄や姉がいなければ、さらに厳しい人生となりかねません。子どもに大きな不安を与えないで済むのはかなり裕福で健康で意志の強い方々だけでしょう。

     不可能を突破して実現することは政治家としても女性としても多く場合賞賛される立派なことでしょう。しかし、ある事柄については、「できない現実を受け止めること」「そこまでしてでも実現してはならないとの判断」「道が閉ざされていることに秘められた深い意味を悟ること」なども、政治家として一女性としてさらに豊かで深い人生に結びつくのではないかと思うのです。少なくとも聖書は「女性の胎を開くか閉じるか」の主権神様にあると受け取れる記述に満ちています。

     今回の週刊新潮の記事、野田議員の誠実な言葉を重く受け止めながらも、問題の本質の所在は違うところにあると思ってしまった私です。

     (追記)WEBRONZAよりお訪ね下さった皆様へ
     本ブログの過去の記事はカテゴリーごとに分類されております。サイトの右下の「カテゴリー」を誤使用いただきますと、不妊治療、中絶問題など、関心と必要に応じての記事をお読みいただけます。

     また、このブログは小さないのちを守る会の代表、水谷が記しております。同会はキリスト教主義に基づいて人工妊娠中絶を防止して胎児のいのちを守る(生存権の擁護)団体です。関心を持たれた方は、本会のサイトをご覧下さい。

    「小さないのちを守る会」サイト
    http://chiisana.org/

     また、常に入会やご支援をお待ちしております。入会やご支援はこちらにて、受け付けております。
    http://chiisana.org/support/


     最近、初めて本ブログをお訪ねいただいた皆様には、続いてご愛読をいただければ感謝です。
    拙い記事の数々が少しでも、小さないのちが尊重される社会作りに貢献できればと願っています。
    | | 妊娠・出産・不妊治療 | 15:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - |









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