命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
今年は村崎太郎と日光さる軍団が再評価されるかも
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     申年ということで、既に何度か、村崎太郎さんがテレビやラジオに出演しているを見聞きしました。このブログには「村崎太関連というカテゴリーがあります。村崎太郎さんが、被差別部落出身であることをカミングアウトされたことに際して、多くの記事を記してきました。特にクリスチャン読者にこのことを通して、人権問題や人間の尊厳を考えていただきたく願ってのことです。

     関心のある方は、以下の記事をご一読ください。新しい方から、並べておきます。
     今、村崎太郎さんは、何をしているかご存知ですか?私も昨年の途中まで知らなかったのですが、テレビのドキュメンタリー番組で知って、ビックリしました。何とあの「日光猿軍団」の二代目校長に就任しいるのです。震災による原発事故が原因で、日光にあった「お猿の学校」は閉校を余儀なくされます。しかし、猿芸の継承を願う村崎さんは、ライバルであった校長の間中氏に頭を下げて、日光猿軍団の買収を申し出ます。

     その後のことはこちらをご覧ください。猿芸なのに「犬猿の仲」であった二人の合体、間中氏と村崎氏の決意には感動させられます。

    「2013年解散した「日光猿軍団」が遂に復活!その裏にあった2人の男気に泣ける・・・」
    http://laughy.jp/1432890489976169436

     最近は、村崎太郎さんは、経営やプロデュースに専念し、芸は、門下生たちが後継しているようです。そのひとり「ゆりありく」(ゆりあさんと猿のりく君のコンビ)はテレビ出演もたびたび。

    「ゆりありく」のコント
    https://www.youtube.com/watch?v=Xd6PKIEkUKM


     また、改めて日光猿軍団について知りたい方はこちらを。

    wikipedia「日光猿軍団

    再開後は名称を「日光さる軍団」に変更。
    wikipedia「日光さる軍団」


     申年を迎えて、再度、日光さる軍団が注目されそうな気がしています。現在の猿芸は、失われかけたものを被差別部落の人々が再興したという経緯があります。日本の大衆芸能は、主に被差別階級によって、担われてきました。猿の調教は海外では、不可能とさえ思われてきたそうです。世界に誇る最高レベルの芸能を担ってきたのは、社会の最底辺で差別を受けた人々であったことを忘れてはならないでしょう。

     最後にそのことの現代的意味を記した過去記事を紹介します。

    EXILE、天皇陛下即位20年の奉祝歌

     私はクラッシックの黛敏郎は、表現の自由として認めますが、ExileとYoshikiを、個人的には認めません。私なりにこだわっている日本大衆芸能についてのポリシーの故にです。この記事が、日光さる軍団の背後にある重く長い歴史の理解につながれば幸いです。
    | ヤンキー牧師 | 「村崎太郎」関連 | 22:31 | - | - | - |
    絶賛!!村崎太郎+栗原美和子著「橋はかかる」
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       近年、本ブログの記事別アクセスの第一位は、かならず村崎太郎さん関連。本ブログの一日最高アクセス記録は何と7000アクセス。その原因はテレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」に村崎太郎さんが出演し、タブーとされていた被差別部落問題を正面から堂々と取り上げたため。さらに「村崎太郎」をグーグル検索すると、Wikipediaの次の二位に本ブログの記事がヒットすることも。多分、一日に100近いアクセスを村崎太郎さんや人権問題、被差別部落問題関連でいただいていると予想されます。

       そこで紹介したいのが、村崎太郎さんの奥様、栗原美和子さんの著書第2弾であります(夫婦としては第三弾)。前作の「太郎が恋をする頃までには」は、大きな反響があったようです。ただ、私個人は歴史的な意義については大いに評価しますが私小説的作品としてはもう一つとの印象を受けました。以前、部落解放同盟の機関紙「解放」の書評でももう一つの評価をしているのを読みました。さらに、この著書では栗原さん自身も力不足を認めておられます。

       そして、第二弾はご夫妻での共著のようです。多分、小説ではなくドキュメンタリー形式かと思われます。事実が持つ力で読者に迫っています。私自身新しく知ることも多かったです。一番感動的だったのは、「闇の中での希望」です。運動家であった太郎さんの父が、猿回し芸を通じて太郎さんに託した「希望」、栗原さんが結婚生活の中で見出した「希望」に私は二度涙しました。

       タイトルは「橋はかかる」。これは多分あの名著「橋のない川」を受けてのことでありましょう。先週末、東京滞在中に出版を知りました。

       さっそく昨夜読みました。これは絶賛です。クリスチャンにこそお読み頂きたいのです。中絶問題と同じ、いいえ最も明確な差別問題であり、日本社会ではタブーの課題であります。そして、中絶問題同様、最も向き合わなくてはならない人間の罪の一つなのです。

       そして、ブラックゴスペルを歌う方には是非ともお読みいただいたいです。この日本社会においてブラックゴスペルを歌う場合はアメリカの人種差別問題以上に、日本の国内での差別問題を学ぶ事の大切さを思います。そうした時、ブラックゴスペルは「舶来音楽」ではなく、「日本の音楽」となり、「黒人スタイルの讃美」から「日本の讃美」に変質すると私は考えています。

       まずは取り急ぎ著書の紹介のみ。

      村崎太郎+栗原美和子著「橋はかかる」(ポプラ社)¥1365

       ポプラ社サイトでの同著の紹介はこちら
      http://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=80006680

       本の帯にはこんな見出しが・・・・。
      「被差別部落出身であることを公表した村崎太郎。ごく一般的な家庭に育った栗原美和子。悪戦苦闘の3年間、少しずつ見えてきた希望の橋。」
      | | 「村崎太郎」関連 | 16:16 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
      「女性セブン」に村崎太郎さんの記事が
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        googleで「村崎太郎」を検索すると10位前後に本ブログがヒットするようです。そのため毎日4,5百のアクセスが通常より増加している模様。

         そんな中、昨日は、コンビニの雑誌売り場を通りかかると目に飛び込んだのが次の見出し。

        村崎太郎、部落差別、テレビでカミングアウトへの道程」

         表紙に大きくこのタイトル。何とその雑誌は、「女性セブン」。一目をはばかりながら、手に取り、30秒で該当記事、二ページを速読?しました。

         女性セブン(現時点での)最新号の表紙と概要はこちら
         http://josei7.com/

         テレビ番組「たかじんの・・」でのカミングアウトから始まり、部落差別の現状や説明、結婚への経緯、著書の紹介など適切にまとめられていました。
         雑誌や記事の性質上、部落差別問題の本質に切り込んだり、「女性であるあなたは栗原さんと同じように部落出身者と結婚できるか?」などの問いかけはありません。どちらかと言えば、「ある芸能人の結婚にあった深い背景」という扱いでしょうか。

         尊敬され愛される著名芸能人による高視聴率テレビ番組での部落出身者のカミングアウト。この歴史的出来事がどう報道され、どう社会に受け止められるか、注目している中、「女性セブン」という予想外?のメディアでの扱いに、驚きと共に喜びを感じました。
        | | 「村崎太郎」関連 | 08:02 | comments(2) | trackbacks(0) | - |
        残念!「太郎が恋をする頃までには・・・」が買えず
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           本日、大慌てで本屋さんへ。村崎太郎さんの妻、栗原美和子さん(いわゆる月九ドラマ等を手がけた有名女性プロデューサー)の小説「太郎が恋をするころまでには・・・」を購入するためです。ところが、書店では品切れ!さらには問屋さんでも品切れ!出版元に問い合わせて1月5日以降の発注とか・・・。(購入をお考えの方はお気をつけください)

           ブログ読者には、必読と呼びかけながら、自ら購読しなかったことをいまさら反省。トホホです。
          | | 「村崎太郎」関連 | 15:25 | comments(2) | trackbacks(0) | - |
          村崎太郎出演番組に見る差別表現問題
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             昨日も3246アクセス、今月の一日平均アクセスは1900を超えそうです。
             
             12月28日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」の「部落差別問題」のコーナーをネットで見ながら、考えさせられたことを記したいと思います。

             それは、辛坊さんが、部落問題に対してのメディアのあり方を批判したことです。ある意味、自己批判です。彼は部落問題に対しての従来の過剰な自主規制や言葉狩りの問題、それに伴う本来のメディアの使命放棄を、かなり強い口調で批判、いいえ、むしろ反省。

             テレビカメラの前で四本指を堂々と立てて、「四つ」という言葉を口にし、メディア批判をする辛坊次郎さんには、感動しました。過去の滑稽とも言える過剰対処の実例を挙げながらのかなり厳しい批判でした。「ついにこんな言動がテレビの人気番組でゆるされる時代がやってきたのか!」と。大げさに言えば日本のメディアの歴史を刻む一歩だったのかもしれません。(詳しくは昨日ご紹介の同番組の映像を参照)

             「四つ」という言葉、また四本指を立てることと、部落差別との関連は以下のwikiphidiaの記事をご参照下さい。

            http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E3%81%A4_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%8F%BE)

             過去には(文脈や意図と無関係で表現自体を糾弾する)行き過ぎた運動団体側の反応があったようですが、かなり以前から、文脈や意図を考慮して、「言葉狩り」はしなくなっています。そうした運動団体側からの申し出にもかかわらず、メディア側は過去のトラウマにとらわれて過剰な自主規制をしてしまい、自らに言葉狩りをして、本来の使命から逃避しているというのが私の理解です。

             しかし、このことは他人事でなく、私自身が問われてきたことです。2004年7月に私自身が同番組にゲスト出演する時に、この二つの表現が問われたのです。つまり、「四つ」という言葉とカメラの前で四本指を立てることです。

             出演時に小さないのちを守る会の働きの紹介のチャンスがあればと思っていました。しかし、小さないのちを守る会の働きは「四つ」(中絶防止・養子縁組・啓発活動・中絶体験者フォロー)なのです。通常なら四本指を立てて説明するところでしょう。

             しかし、私の考えました。「ここは大阪読売テレビ。部落問題には過敏なはず。『私たちの働きは四つです』と語り、四本指を立てたら、絶対にカットされる。会の存在と働きを知らせるためには言い換えをしよう。」と。

             そして、本番です。予想通り、辛坊さんから「働きを短く紹介して下さい」といわれました。私は四本指を立てず、「私たちの働きは四点あります」と説明しました。結局、その場面はカットされましたが。

             私自身「四つ」と「四本指」を自主規制したのです。自らに言葉狩りを課したのです。実は、私自身、数年前までは、キリスト教会でも会の働きを紹介する時は、やはり、「四つ」と「四本指」を意図的に避けていました。差別表現だからというより愛の配慮(会衆には当然被差別部落出身者がいる可能性があるので)のつもりでした。ここ数年はそうした必要はなさそうだと判断し、働きの紹介の時は、「働きは四つです。」と四本指を立てて説明しています。

             まさに私自身が「四つ」と「四本指」の自主規制したその番組で、今回、「四つ」と「四本指」に対するメディアの過剰な反応が批判されたわけです。私個人としては感無量。そして、「あの時の自分の判断は正しかったのだろうか?」と自問せざるを得ません。

             また、説教の講壇から、差別表現や不快語が発せられることも時にはある日本のキリスト教会。どこまでが、愛の配慮や社会的証し故の規制で、どこからが、言葉狩りになってしまうのか?見解が分かれ、判断困難な場合も。

             「四つ」と「四本指」。この二つの表現だけからも、部落差別問題とメディアが持つ問題は、かなりの部分見えてきます。そして、それは、この日本の社会にキリスト教会が存在する限りは、講壇からの言葉、聖書の訳語、賛美の歌詞とも決して無関係ではないはず。
            | | 「村崎太郎」関連 | 11:56 | comments(4) | trackbacks(0) | - |
            膨大なアクセスは「たかじんの・・・委員会」から!
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               昨日のアクセスも3893。膨大なアクセスの原因が判明。それは12月28日放映の「たかじんのそこまで言って委員会」が村崎太郎さんをゲストに迎えて「部落差別問題」を扱ったためと判明しました。以下のサイトをご参照下さい。

              http://takajintv.blog101.fc2.com/blog-entry-72.html

               村崎太郎さん自身が出演して語っています。また、小説を記した奥様と結婚に反対したその両親とのエピソードも感動的。太郎さん自身の実体験や思いはぜひとも私もお伝えしたいです。私自身も涙が抑え切れませんでした。

              さらにこちらでは、専門家が登場し、差別問題の本質とも言うべき深い議論も展開されています。とても本ブログの記事内で私の力量では論じられない大切な議論です。

              http://www.veoh.com/videos/v17049947skrsCEzs 

               思えば、2004年7月には、私自身がゲスト出演させていただいた(顛末は拙著「チョット聞けない男女のおはなし」に)同番組のおかげで記録的なアクセスをいただいたのも不思議なこと。実際に「村崎多太郎」などの語句で検索するとかなりの上位に本ブログがヒットします。

               私の存じ上げている教職や信徒の中には、部落解放に関わっている方や被差別部落で宣教をしている方もおられます。

              こちらの牧師先生は直接存じ上げませんが、部落問題に重荷を持ち、充実したブログを書いておられます。そして、そのブログにも7000件を超えるアクセスがあったようです。左端の「カテゴリ」ーをクリックし、部落関係や同和教育の記事に入ると専門的な記事を読むことができます。

              http://eigaku.cocolog-nifty.com/nikki/2008/12/post-f516.html


               マスコミでは、タブーであった部落差別問題がこうした高視聴率の人気番組で扱われ論じられるのは画期的なこと。かつての「朝まで生テレビ」も画期的でしたが、この番組ははるかにその上をいっています。私自身この番組での中絶論争に加えていただきました。外面の面白さからは考えられないほどの製作側の真剣さ、真面目さを知っています。

               著書「太郎が恋をする頃までには」同様、今回の同番組も歴史と戦い、歴史を一歩動かす放送であったと私は評価しています。それは、いただいた大量アクセスとは比べ物にならない感謝、そして感動。
              | | 「村崎太郎」関連 | 08:19 | comments(5) | trackbacks(0) | - |
              昨日のアクセスは7523!
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                 びっくりを通り越して怖いです。昨日のアクセスは・・・7523!
                今まで3000を越したことがなかったのに・・・いきなりです。

                 原因は「聖☆おにいさん」をキリスト教界が論じたからと思ったら大間違い。人権問題の記事にアクセスが殺到したのです。
                 「村崎太郎物語(1)〜(4)」と「歴史と戦う結婚」に膨大なアクセスが・・・・。

                 理解に苦しむのは、主日にいきなり(前日までは平常)ということ。いくら大教会で紹介されてもありえないアクセス数。もし、学校の人権・同和教育で紹介されたら、主日にいきなりは不自然。ということは、テレビ・ラジオ・新聞などで村崎太郎さんの結婚や著書が取り上げられてその影響か?

                 興味深いのは、村崎太郎物語の(4)が、最高のアクセスを集めていること。日本の芸能と被差別部落問題の関連、あるいはマスコミでの扱いに関心を持ってのアクセスかと思われます。関心のある方は記事をリンクしましたので、ご参照下さい。

                 「歴史と戦う結婚」http://blog.chiisana.org/?eid=946962

                 「村崎太郎物語(1)」http://blog.chiisana.org/?eid=979688

                 「村崎太郎物語(2)」http://blog.chiisana.org/?eid=979725

                 「村崎太郎物語(3)」http://blog.chiisana.org/?eid=979962

                 「村崎太郎物語(4)」http://blog.chiisana.org/?eid=979994

                日本の多く教育機関が「太郎が恋をする頃までには」を人権教育などの資料にして欲しいです。特に図書館において欲しいですね。そうそう、偉そうに言っているまず、自分が読まなくては。(実は未だに未読という怠慢)

                 クリスチャン読者の皆さんも、本ブログを通じて人権問題には関心を持っていただければと願います。それは聖書が示すいのちの尊厳と直結する問題、そして潜在的に身近にありながら黙殺しがちな問題だからです。
                | | 「村崎太郎」関連 | 10:15 | comments(3) | trackbacks(0) | - |
                (村崎)太郎物語(4)
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                   村崎太郎さんが勇気をもって被差別部落出身者であることを証し、妻が小説「太郎が恋をする頃までには」を出版し、夫婦で歴史的な第一歩を踏み出したというのに、マスメディアの取り上げ方の小ささは驚くべきことです。

                   なぜ、この件を最初に扱った本ブログの記事が莫大なアクセスを集めたか?答えは簡単です。この件を扱ったネット上の記事が極めて少ないからです。ニュースバリューから考えれば、ありえない少なさです。実はこれと同様の事例を2007年の3月27日の記事で記していますので、その一部を以下に転載します。


                   名優、三國連太郎さんは自分の育ての父が被差別部落出身者であることを公にしています。「部落出身者」の定義は難しいのですが、片方の親がそうなら、あるいは三國さんのように血縁関係はなくても部落出身者とみなされるようです。実際、三國さん自身もそのようなアイデンティティーを持っておられます。ですから、三國さんは自ら被差別部落出身者であることを公にしたことになります。

                   押しも押されもしない大俳優、「釣りバカ日誌」の社長、スーさんとしても親しまれている国民的俳優である三國さんが自らの出自を明かしたのは1995年のこと。月間誌「Views」8月号での田原総一郎さんとの対談の中。養父が被差別部落出身者であること、自らのこととして部落差別問題をとらえてきたことを明かします。そして、その後に三國さんが論じた差別問題や歴史認識に立った芸能論を語るのです。私はこれを初めて読んだ時は戦慄が走りましたね。以下に引用します。

                   「もともと芸能という文化は差別されていた賤民の手によって確立されてきたものです。そこには差別する側を批判していく”けれん”というものがあった。(ところが今の芸能界は)体制批判に繋がる差別の問題であるとか天皇制であるとか、そういうある種のタブーには一切触れられていない。それどころか芸能が体制側から押し付けられたものになっていく中、いつの間にか、自分自身も役者としてある意味で権威付けられた文化という名の体制に取り込まれかけていた。」

                   この発言の重みと深さ、そして鋭さはまさに戦慄もの。少なくと私はこれ以上に優れた芸能論を読んだことがありません。

                   しかし、残念なことにこの重鎮が決死の思いで語ってであろうこの発言は何と、マスコミに黙殺されてしまうのです。これだけの問題提起を日本社会に問わないことは、マスコミとして自殺行為に等しいと私は思うのですが。

                   マスコミがきちんと取り上げれば、どれだけ多くの差別に苦しむ人々の励ましになったことか?潜行する差別問題に大きな風穴をあけるきっかけになったかもしれません。部落差別問題を知らない多くの方々への啓蒙ともなったでしょうし、芸能界のあり方を見直す最高のきっかけにもなりえたでしょう。

                   しかし、それさえ黙殺されてしまうのが日本の現状。日本のマスコミには同和タブーが支配的です。同和関係に不利なことは、たとえ事実でも報道しない傾向があります。場合によってはこのように有益なことであっても報道しません。過剰な自己規制をしてしまうのです。

                   それには理由があります。過去にマスコミは部落解放同盟などから、差別的な発言や記述について糾弾を受けてきました。その中には、不適切と思われる糾弾の内容や方法もあったようです。そうしたトラウマのため日本のマスコミは、とにかく部落問題はニュースバリューに関係なく取り上げない方が無難という判断をしやすいようです。その結果、過剰な自己規制に縛られて、本来なら伝えるべき事件もきちんと報道しないことが多いのです。

                   以上が転載箇所。

                   最近は和田アキ子さんやギタリストの布袋さんが、自ら在日であることをカミングアウトしています。しかし、私が知る限り、芸能スポーツ界で、被差別部落出身であることを、明かしたのは三國さんと村崎太郎さんだけです。

                   私は思います。「また、黙殺するのか?」と。「二人の歴史的な意味を持つ発信を日本社会に届けるのがマスコミの使命だろうが!」と「それをしなければ、自殺行為だろう?」と。

                   巨大メディアに比べれば、取るに足らない本ブログ。しかし、私はいのちの尊厳を使命とする者として、二人の発信を世に届け、世に問うていく一人でありたいと願っています。

                   小説のタイトルとなった「タローが恋をする頃までには」とは、部落解放運動でスプレヒコールされる詩の一部なのだとか。

                   「タローが恋をする頃までには 差別のない世の中が訪れますように
                    タローが恋をする頃までには 全ての人間が平等に扱われますように
                    タローが恋をする頃までには 様々な問題が解決されますように」

                   村崎太郎さんの最初の記憶は、デモ行進でこの詩をシュプレヒコールする母親の腕の中にいる赤ん坊の自分だったそうです。

                   太郎物語 ー完ー

                   2008年12月30日の追記

                   12月28日放映の「たかじんのそこまで言って委員会」が村崎太郎さんをゲストに迎えて「部落差別問題」を扱いました。以下のサイトをご参照下さい。

                  http://takajintv.blog101.fc2.com/blog-entry-72.html

                   村崎太郎さん自身が出演して語っています。さらにこちらでは、専門家が登場し、差別問題の本質とも言うべき深い議論も展開。

                  http://www.veoh.com/videos/v17049947skrsCEzs 

                   誠実に取り上げた同番組やスタッフには、心からの賞賛を送りたいです。
                  | | 「村崎太郎」関連 | 08:24 | comments(6) | trackbacks(0) | - |
                  (村崎)太郎物語(3)
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                     芸能と身分差別問題の問題については、2007年3月16日の記事で、一度記しています。再度、その一部を以下に転載します。


                     日本社会は、ほんの少し前までは歴然とした身分社会、階級社会でした。そして身分や階級はその職業と一体化していました。実は日本の歴史の中では芸能は最下層階級の人々が担ってきたのです。

                     私は子どもの頃、芸能は非生産的職業と評価され、江戸幕府は芸能を職業とする者を士農工商のさらに下の身分に置いたように教えられました。今では研究も進みこの説は支持されなくなっているそうです。宗教的な背景などによってかなり以前から芸能は特定の身分と結び付けられていたようです。

                     歌舞伎、能、狂言、人形浄瑠璃、浮世絵など、日本を代表する文化は被差別部落の人々が担い発展させてきたのです。明治以来、音楽教育が西洋音楽一辺倒になってしまった理由の一つはどうもここにありそうですね。

                     四代目市川団十郎は「錦着て 布団の上の 乞食かな」という有名な句を残しています。どんな大スターで贅沢な暮らしをしても、その社会的アイデンティティーは「乞食」なのです。
                     山城新伍さんの著書で読んだのですが、歌舞伎で「成駒屋!」「高麗屋!」という掛け声が掛かります。市川、尾上、中村の姓なのに、商人でないのにどうして「〜屋!」と掛け声がかかるでしょう?
                     それは士農工商の下に置かれた身分にある役者たちが、「商」として扱われたいとの切実な願いの表れなのです。

                     こうして日本の大衆は、優れた芸能人を賞賛しながらも、他方で差別し見下げてきました。こうした芸能史の流れの中、戦後の日本の大衆芸能を担ってきた人々の中にも驚くほどに、被差別部落出身者と在日の方々が多いのです。

                     そして、実力や実績の世界である芸能界にも、差別や偏見は根強くあります。芸能界で起こる不自然な出来事や意外な出来事、その背景には民族問題や部落差別の問題が潜んでいる場合が多いのです。大人気の芸能界のスターたちの中には四代目市川団十郎と同じ葛藤や苦悩を持つ方も少なくないでしょう。

                     芸能人の出自を明らかにすることは、差別的な日本社会では、芸能人の商品価値を落としますし、芸能プロダクションのマスコミに対しての圧力などもあり、はたまた、様々な利害関係もありで、日本のマスコミ界ではタブーなのです。

                     以上が、以前のブログ記事。

                     実は村崎太郎さんも、四代目市川団十郎と同じ葛藤と苦しみの中にいることをAERAの手記の中で告白しています。

                     ただ、今でも夫婦喧嘩をすると「オレが部落だからだよな」と言ってします。自分の血がコンプレックスになっているとも感じる。自分ではどうしようもない血の歴史を自覚することもある

                     日本中から賞賛され、最高レベルのエンターテナーとなり、出自を受け入れて結婚をした女性がいても、なお、癒されぬもの、回復されぬ傷があります。差別とはそれほどまで罪深いもの、そこまで残酷なものなのでしょう。
                    | | 「村崎太郎」関連 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
                    (村崎)太郎物語(2)
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                       村崎太郎を語るのに、父親の村崎義正をはずすことはできないようです。私自身も、AERAの記事で初めて、この義正さんのことを知りました。wikipediaの「村崎義正」の項には、簡潔に彼の生い立ちやいくつかの業績が記されています。是非とも、読者の皆様にはご一読いただいたいのです。

                      http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E5%B4%8E%E7%BE%A9%E6%AD%A3

                       日本の被差別部落の職業は多様ですが、主なものの一つは芸能です。角付芸(かどつきげい)といって、家々を訪ね、角先で芸能を披露して生計を立てていたのは、主に被差別部落民でした。有名な「春駒」や「獅子舞」もその一つです。また、文字通り路上で行われていた大道芸も、被差別部落の人々が発展させてきた芸能。

                       そして猿回し芸はそんな大道芸の一つです。蚤から像まで調教できる調教師でも、知恵のあるニホンザルは不可能だと言われるそうで、それ程、猿回しは、世界の誇りうるレベルの高い芸能なのです。にもかかわらず、歴史的な経緯と差別によって、この優れた芸能は卑しいものとされてきたわけです。

                       wikipediaの記事によれば、村崎義正さんは「同じ地区で生まれた同級生12人全員が、部落差別にさいなまれ、ある者は自殺し、ある者は社会から落伍して、なんとか生き残ったのは義正を含めわずか3人だけというすさまじい状況下の青春時代を過ごす。」とあるように、壮絶な差別の中で育ちました。

                       後に山口県光市市議会議員に当選、部落解放同盟を結成し活躍します。後にあの俳優、小沢昭一さんと遭遇。猿回し芸の家系にあった義正さんは、小沢さんの勧めで、市議会議員を辞職してまで、途絶えかけていた猿回し芸の復興に尽力。

                       息子である太郎さんがそれを継承し、新たなエンターテイメント性を付加して、日本中の人気者となったのは、記憶に新しいところ。しかし、日本中が太郎さんの芸を絶賛しても、彼の心に本当の意味での誇りや達成感があったとは言えないかもしれません。差別は、他の何によっても補いきれないものを人の人生に与えてしまうのでしょう。
                      | | 「村崎太郎」関連 | 11:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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